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航天通信控股集团股份有限公司人間失格(10) 文学欣赏:太宰治-日语猫

作者: admin  发布: 2014-08-02 分类:全部文章 阅读: 223次

人間失格(10) 文学欣赏:太宰治-日语猫


第三の手記(B)
 自分はヒラメの家を出て、新宿まで歩き、懐中の本を売り、そうして、やっぱり途方にくれてしまいました。自分は、皆にあいそがいいかわりに、「友情」というものを、いちども実感した事が無く、堀木のような遊び友達は別として、いっさいの附き合いは、ただ苦痛を覚えるばかりで、その苦痛をもみほぐそうとして懸命にお道化を演じて、かえって、へとへとになり、わずかに知合っているひとの顔を、それに似た顔をさえ、往来などで見掛けても、ぎょっとして、一瞬、めまいするほどの不快な戦慄に襲われる有様で、人に好かれる事は知っていても、人を愛する能力に於いては欠けているところがあるようでした。(もっとも、自分は、世の中の人間にだって、果して、「愛」の能力があるのかどうか、たいへん疑問に思っています)そのような自分に、所謂「親友」など出来る筈は無く、そのうえ自分には、「訪問(ヴィジット)」の能力さえ無かったのです高铁嚣张哥。他人の家の門は、自分にとって、あの神曲の地獄の門以上に薄気味わるく、その門の奥には、おそろしい竜みたいな生臭い奇獣がうごめいている気配を、誇張でなしに、実感せられていたのです。
 誰とも、附き合いが無い。どこへも、訪ねて行けない。
 堀木。
 それこそ、冗談から駒が出た形でした。あの置手紙に、書いたとおりに、自分は浅草の堀木をたずねて行く事にしたのです。自分はこれまで、自分のほうから堀木の家をたずねて行った事は、いちども無く、たいてい電報で堀木を自分のほうに呼び寄せていたのですが、いまはその電報料さえ心細く、それに落ちぶれた身のひがみから、電報を打っただけでは、堀木は、来てくれぬかも知れぬと考えて、何よりも自分に苦手の「訪問」を決意し、溜息をついて市電に乗り、自分にとって、この世の中でたった一つの頼みの綱は、あの堀木なのか、と思い知ったら、何か脊筋の寒くなるような凄じい気配に襲われました曹昂新传。
 堀木は、在宅でした。汚い露路の奥の、二階家で、堀木は二階のたった一部屋の六畳を使い、下では、堀木の老父母と、それから若い職人と三人、下駄の鼻緒(注:木屐带)を縫ったり叩いたりして製造しているのでした。
 堀木は、その日、彼の都会人としての新しい一面を自分に見せてくれました趣盘网。それは、俗にいうチャッカリ(注:不吃亏)性でした。田舎者の自分が、愕然(がくぜん)と眼をみはったくらいの、冷たく、ずるいエゴイズムでした。自分のように、ただ、とめどなく流れるたちの男では無かったのです。
「お前には、全く呆れた。親爺さんから、お許しが出たかね。まだかい」
 逃げて来た、とは、言えませんでした。
 自分は、れいに依って、ごまかしました。いまに、すぐ、堀木に気附かれるに違いないのに、ごまかしました。
「それは、どうにかなるさ」
「おい、笑いごとじゃ無いぜ。忠告するけど、馬鹿もこのへんでやめるんだな。おれは、きょうは、用事があるんだがね。この頃、ばかにいそがしいんだ」
「用事って、どんな?」
「おい、おい、座蒲団の糸を切らないでくれよ」
 自分は話をしながら、自分の敷いている座蒲団の綴糸(とじいと)というのか、くくり紐(ひも)というのか、あの総(ふさ)のような四隅の糸の一つを無意識に指先でもてあそび、ぐいと引っぱったりなどしていたのでした。堀木は、堀木の家の品物なら、座蒲団の糸一本でも惜しいらしく、恥じる色も無く、それこそ、眼に角を立て(注:眼に角を立てる,怒目相向)て、自分をとがめるのでした。考えてみると、堀木は、これまで自分との附合いに於いて何一つ失ってはいなかったのです。
 堀木の老母が、おしるこ(注:小豆年糕汤)を二つお盆に載せて持って来ました。
「あ、これは」
 と堀木は、しんからの孝行息子のように、老母に向って恐縮し、言葉づかいも不自然なくらい丁寧に、
「すみません、おしるこですか。豪気だなあ。こんな心配は、要らなかったんですよ。用事で、すぐ外出しなけれゃいけないんですから。いいえ、でも、せっかくの御自慢のおしるこを、もったいない。いただきます。お前も一つ、どうだい。おふくろが、わざわざ作ってくれたんだ。ああ、こいつあ、うめえや。豪気だなあ」
 と、まんざら芝居でも無いみたいに、ひどく喜び、おいしそうに食べるのです。自分もそれを啜りましたが、お湯のにおいがして、そうして、お餅をたべたら、それはお餅でなく、自分にはわからないものでした笛膜胶。決して、その貧しさを軽蔑したのではありません。(自分は、その時それを、不味(まず)いとは思いませんでしたし、また、老母の心づくしも身にしみました。自分には、貧しさへの恐怖感はあっても、軽蔑感は、無いつもりでいます)あのおしること、それから、そのおしるこを喜ぶ堀木に依って、自分は、都会人のつましい本性、また、内と外をちゃんと区別していとなんでいる東京の人の家庭の実体を見せつけられ、内も外も変りなく、ただのべつ幕無し(注:のべつ幕無し,接连不断地)に人間の生活から逃げ廻ってばかりいる薄馬鹿の自分ひとりだけ完全に取残され、堀木にさえ見捨てられたような気配に、狼狽し、おしるこのはげた塗箸(ぬりばし)をあつかいながら、たまらなく侘びしい思いをしたという事を、記して置きたいだけなのです。
「わるいけど、おれは、きょうは用事があるんでね」
 堀木は立って、上衣を着ながらそう言い、
「失敬するぜ、わるいけど」
 その時、堀木に女の訪問者があり、自分の身の上も急転しました。
 堀木は、にわかに活気づいて、
「や、すみません聚惠卡盟。いまね、あなたのほうへお伺いしようと思っていたのですがね、このひとが突然やって来て、いや、かまわないんです。さあ、どうぞ」
 よほど、あわてているらしく、自分が自分の敷いている座蒲団をはずして裏がえしにして差し出したのを引ったくって、また裏がえしにして、その女のひとにすすめました。部屋には、堀木の座蒲団の他には、客座蒲団がたった一枚しか無かったのです。
 女のひとは痩せて、脊の高いひとでした。その座蒲団は傍にのけて、入口ちかくの片隅に坐りました。
 自分は、ぼんやり二人の会話を聞いていました。女は雑誌社のひとのようで、堀木にカットだか、何だかをかねて頼んでいたらしく、それを受取りに来たみたいな具合いでした。
「いそぎますので」
「出来ています。もうとっくに出来ています。これです、どうぞ」
 電報が来ました。
 堀木が、それを読み、上機嫌のその顔がみるみる険悪になり、
「ちぇっ! お前、こりゃ、どうしたんだい」
 ヒラメからの電報でした。
「とにかく、すぐに帰ってくれ。おれが、お前を送りとどけるといいんだろうが、おれにはいま、そんなひまは、無えや。家出していながら、その、のんきそうな面(つら)ったら」
「お宅は、どちらなのですか日落卡门?」
「大久保です」
 ふいと答えてしまいました。
「そんなら、社の近くですから」
 女は、甲州の生れで二十八歳でした。五つになる女児と、高円寺のアパートに住んでいました。彭家驹夫と死別して、三年になると言っていました。
「あなたは、ずいぶん苦労して育って来たみたいなひとね。よく気がきくわ。可哀そうに」
 はじめて、男めかけ(注:吃软饭的男人)みたいな生活をしました。シヅ子(というのが、その女記者の名前でした)が新宿の雑誌社に勤めに出たあとは、自分とそれからシゲ子という五つの女児と二人、おとなしくお留守番という事になりました。それまでは、母の留守には、シゲ子はアパートの管理人の部屋で遊んでいたようでしたが、「気のきく」おじさんが遊び相手として現われたので、大いに御機嫌がいい様子でした。
 一週間ほど、ぼんやり、自分はそこにいました。アパートの窓のすぐ近くの電線に、奴凧(やっこだこ)が一つひっからまっていて、春のほこり風に吹かれ、破られ、それでもなかなか、しつっこく電線にからみついて離れず、何やら首肯(うなず)いたりなんかしているので、自分はそれを見る度毎に苦笑し、赤面し、夢にさえ見て、うなされました。
「お金が、ほしいな」
「……いくら位?」
「たくさん。……金の切れ目が、縁の切れ目、って、本当の事だよ」
「ばからしい赢点生活卡。そんな、古くさい、……」
「そう?しかし、君には、わからないんだ。このままでは、僕は、逃げる事になるかも知れない」
「いったい、どっちが貧乏なのよ。そうして、どっちが逃げるのよ。へんねえ」
「自分でかせいで、そのお金で、お酒、いや、煙草を買いたい。絵だって僕は、堀木なんかより、ずっと上手なつもりなんだ」
 このような時、自分の脳裡におのずから浮びあがって来るものは、あの中学時代に画いた竹一の所謂「お化け」の、数枚の自画像でした。失われた傑作。それは、たびたびの引越しの間に、失われてしまっていたのですが、あれだけは、たしかに優れている絵だったような気がするのです。その後、さまざま画いてみても、その思い出の中の逸品には、遠く遠く及ばず、自分はいつも、胸がからっぽになるような、だるい喪失感になやまされ続けて来たのでした。
 飲み残した一杯のアブサン(注:absinthe新喜剧之王,苦艾酒)。
 自分は、その永遠に償い難いような喪失感を、こっそりそう形容していました神州律师网。絵の話が出ると、自分の眼前に、その飲み残した一杯のアブサンがちらついて来て、ああ、あの絵をこのひとに見せてやりたい、そうして、自分の画才を信じさせたい、という焦燥(しょうそう)にもだえるのでした。
「ふふ、どうだか。あなたは、まじめな顔をして冗談を言うから可愛い」
 冗談ではないのだ、本当なんだ、ああ、あの絵を見せてやりたい、と空転の煩悶(はんもん)をして、ふいと気をかえ、あきらめて、
「漫画さ。すくなくとも、漫画なら、堀木よりは、うまいつもりだ」
 その、ごまかしの道化の言葉のほうが、かえってまじめに信ぜられました。
「そうね。私も、実は感心していたの。シゲ子にいつもかいてやっている漫画、つい私まで噴き出してしまう。やってみたら、どう?私の社の編輯長に、たのんでみてあげてもいいわ」
 その社では、子供相手のあまり名前を知られていない月刊の雑誌を発行していたのでした。
……あなたを見ると、たいていの女のひとは、何かしてあげたくて、たまらなくなる。……いつも、おどおどしていて、それでいて、滑稽家なんだもの。……時たま、ひとりで、ひどく沈んでいるけれども、そのさまが、いっそう女のひとの心を、かゆがらせる。
 シヅ子に、そのほかさまざまの事を言われて、おだてられても、それが即ち男めかけのけがらわしい特質なのだ、と思えば、それこそいよいよ「沈む」ばかりで、一向に元気が出ず、女よりは金、とにかくシヅ子からのがれて自活したいとひそかに念じ、工夫しているものの、かえってだんだんシヅ子にたよらなければならぬ破目になって、家出の後仕末やら何やら、ほとんど全部、この男まさりの甲州女の世話を受け、いっそう自分は、シヅ子に対し、所謂「おどおど」しなければならぬ結果になったのでした。
 シヅ子の取計らいで、ヒラメ、堀木、それにシヅ子、三人の会談が成立して、自分は、故郷から全く絶縁せられ、そうしてシヅ子と「天下晴れて(注:堂堂正正)」同棲という事になり、これまた、シヅ子の奔走のおかげで自分の漫画も案外お金になって、自分はそのお金で、お酒も、煙草も買いましたが、自分の心細さ、うっとうしさは、いよいよつのるばかりなのでした。それこそ「沈み」に「沈み」切って、シヅ子の雑誌の毎月の連載漫画「キンタさんとオタさんの冒険」を画いていると、ふいと故郷の家が思い出され、あまりの侘びしさに、ペンが動かなくなり、うつむいて涙をこぼした事もありました。
 そういう時の自分にとって、幽かな救いは、シゲ子でした。シゲ子は、その頃になって自分の事を、何もこだわらずに「お父ちゃん」と呼んでいました。
「お父ちゃん。お祈りをすると、神様が、何でも下さるって、ほんとう?」
 自分こそ、そのお祈りをしたいと思いました。
 ああ、われに冷き意志を与え給え。われに、「人間」の本質を知らしめ給え。人が人を押しのけても、罪ならずや。われに、怒りのマスクを与え給え。
「うん、そう。シゲちゃんには何でも下さるだろうけれども、お父ちゃんには、駄目かも知れない」
 自分は神にさえ、おびえていました。神の愛は信ぜられず、神の罰だけを信じているのでした。信仰。それは、ただ神の笞(むち)を受けるために、うなだれて審判の台に向う事のような気がしているのでした。地獄は信ぜられても、天国の存在は、どうしても信ぜられなかったのです赌王之王。
「どうして、ダメなの?」
「親の言いつけに、そむいたから」
「そう? お父ちゃんはとてもいいひとだって、みんな言うけどな」
 それは、だましているからだ、このアパートの人たち皆に、自分が好意を示されているのは、自分も知っている、しかし、自分は、どれほど皆を恐怖しているか、恐怖すればするほど好かれ、そうして、こちらは好かれると好かれるほど恐怖し、皆から離れて行かねばならぬ、この不幸な病癖を、シゲ子に説明して聞かせるのは、至難の事でした极限飞盘。
「シゲちゃんは、いったい、神様に何をおねだりしたいの?航天通信控股集团股份有限公司」
 自分は、何気無さそうに話頭を転じました。
「シゲ子はね、シゲ子の本当のお父ちゃんがほしいの」
 ぎょっとして、くらくら目まいしました孙晓岐。敵。自分がシゲ子の敵なのか、シゲ子が自分の敵なのか、とにかく、ここにも自分をおびやかすおそろしい大人がいたのだ、他人、不可解な他人、秘密だらけの他人、シゲ子の顔が、にわかにそのように見えて来ました。
 シゲ子だけは、と思っていたのに、やはり、この者も、あの「不意に虻(あぶ)を叩き殺す牛のしっぽ」を持っていたのでした女尸谜案。自分は、それ以来、シゲ子にさえおどおどしなければならなくなりました。
「色魔(しきま)! いるかい?」
 堀木が、また自分のところへたずねて来るようになっていたのです。あの家出の日に、あれほど自分を淋しくさせた男なのに、それでも自分は拒否できず、幽かに笑って迎えるのでした。
「お前の漫画は、なかなか人気が出ているそうじゃないか。アマチュアには、こわいもの知らずの糞度胸(くそどきょう)があるからかなわねえ霍一手。しかし、油断するなよ。デッサンが、ちっともなってやしないんだから」
 お師匠みたいな態度をさえ示すのです。自分のあの「お化け」の絵を、こいつに見せたら、どんな顔をするだろう、とれいの空転の身悶(みもだ)えをしながら、
「それを言ってくれるな。ぎゃっという悲鳴が出る」
 堀木は、いよいよ得意そうに、
「世渡りの才能だけでは、いつかは、ボロ(注:破绽)が出るからな」
 世渡りの才能女杀油地狱艾毅幼儿园。……自分には、ほんとうに苦笑の他はありませんでした。自分に、世渡りの才能! しかし、自分のように人間をおそれ、避け、ごまかしているのは、れいの俗諺(ぞくげん)の「さわらぬ神にたたりなし」とかいう怜悧(れいり)狡猾(こうかつ)の処生訓を遵奉しているのと、同じ形だ、という事になるのでしょうか真田悠斗。ああ、人間は、お互い何も相手をわからない、まるっきり間違って見ていながら、無二の親友のつもりでいて、一生、それに気附かず、相手が死ねば、泣いて弔詞なんかを読んでいるのではないでしょうか。
 堀木は、何せ、(それはシヅ子に押してたのまれてしぶしぶ引受けたに違いないのですが)自分の家出の後仕末に立ち合ったひとなので、まるでもう、自分の更生の大恩人か、月下氷人のように振舞い、もっともらしい顔をして自分にお説教めいた事を言ったり、また、深夜、酔っぱらって訪問して泊ったり、また、五円(きまって五円でした)借りて行ったりするのでした玫琳凯激素。
「しかし、お前の、女道楽もこのへんでよすんだね曾厝垵怎么读。これ以上は、世間が、ゆるさないからな」

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我不去想,是否能够成功,既然选择了远方,便只顾风雨兼程。 我不去想,能否赢得爱情,既然钟情于玫瑰,就勇敢地吐露真诚。 我不去想,身后会不会袭来寒风冷雨,既然目标是地平线,留给世界的只能是背影。 我不去想,未来是平坦还是泥泞,只要热爱生命, 一切,都在意料之中!
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